Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

お金の無心をされて

昨日、メールを通じてお金を無心された。相手は某国で知り合った男性Aだ。

8~9年前、3か月間滞在したその国は、最貧国の一つだった。当時、私は会社を辞め、次の職に就くまで時間があり、テロ等の不安がなく、伝手があったその国に行ってみた。

その国で一番驚いたのは、誰もがすぐ「お金をくれ」ということだった。私が日本人の旅行客でお金を持っていると思われたというのもあるだろうが、老若男女を問わず、知り合うとすぐにお金を無心してくる。

昨日メールを送って来たAはタクシーの運転手だ。移動でタクシーが必要な時、ホテルがタクシーを手配してくれ、数人のタクシー運転手に出会った。その中で、Aは英語が通じて誠実そうだったので、電話番号を教えてもらい、帰国するまで私専属のタクシー運転手をしてもらっていた。

私の帰国直前に、Aは中古のスマホを入手した。スマホというより、インターネットが利用できる携帯電話といった感じのLG製でボロボロのデバイスだった。Aに頼まれてGメールのアドレスを作り、スマホにメールの送受信設定をしてあげた。

それ以来、Aからお金を無心するメールが時々届く。Aの場合、運転手以外の職に就くため、訓練を受けるためにお金が欲しいと書いてくるが、これまでお金を送ったことはない。お金を要求してくるメールについては返事もしていない。

日本は「お金の話をするのは、はしたない」という風潮があり、私もその影響下にある。お金の話どころか、お金を要求するなんて通常の人間関係ではあり得ないことだ。お金を要求されると戸惑うし、どう対処したらいいのか考えてしまう。その国で頻繁に「お金をちょうだい」と言われた時も、最初はあれこれ考えていたが、依頼してくる人全員にお金を渡すことはできないし、一度誰かにお金を渡せば、「あの日本人はお金をくれる」と評判が立って収拾がつかなくなりそうだと思い、お金を要求されても一切応じないことにした。

昨日、久しぶりにお金を無心するメールが届き、あの国であらゆる人からお金をくれと言われたことを思い出した。ホテルの掃除係の女性、小さな博物館の警備員、食堂で会った小学生、などなど。小学生は携帯の番号を聞かれたので教えたら、その数時間後に”Give me some money”とショートメッセージが届き、この国は小学生もお金を要求してくるのだと苦笑した覚えがある。

貧しい国で、路上で物乞いをする人は多く見かけたが、物乞いではなく、普通に会話していたのに、「ところでお金をくれないか」と言ってくることに珍しさを感じた国だった。