Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

モブ・ジャスティスと集団心理

最近、2024年10月に北海道江別市で起きた大学生殺人事件のネットニュースを見ることが多い。逮捕された7名の被疑者の裁判が始まっているからだ。

暴行場面は凄惨である。無抵抗な被害者に集団で暴行を加える被疑者達。暴行はエスカレートしていき、被害者は亡くなる。

このエスカレートしていく様子に集団の怖さを感じる。

日本国内では聞かないが、海外の治安の悪い地域で犯罪者に対して行われるモブ・ジャスティスと同じような群集心理が働いていると思う。

モブ・ジャスティスとは、犯罪者が一般人に捕まった後、警察に引き渡されることなく、集まった群衆から暴行を加えられることだ。私人逮捕であり、私的制裁である。

江別市大学生殺人事件やモブ・ジャスティスに関心があるのは、集団心理によって思いがけない非人道的な行為を働く可能性が誰にでもあると考えるからだ。同じような場面に立たされた時、周囲に誰もいなければしないような行為を、集団の中ではやってしまう。

集団の中での同調圧力やノリ、高揚感が、普段は暴力に縁のないような人間を、暴行加害者にさせていく。

「私だったら絶対に暴行はしない。その場を離れて被害者のために助けを求める。」とは決して言いきれない。

集団は怖い。集団心理によって、本来の自分だったら絶対にやらない行為を防ぐためには、おかしな集団には近づかないことだ。

最も不安を感じる時 -金欠

2026年も半分が過ぎて、もう7月も後半である。海の日に続く三連休が始まった。

自由業の身には暦上の休みは関係ない。仕事があれば休日でも働くし、仕事がなければ平日でも何もしないで過ごす。

独立してフリーランスになって15年が過ぎた。その間、幸い大問題は起きなかったが、稼ぎが良かったり、貯金が底を尽きそうになったり、病気をしたり、怪我をしたり、恋愛をしたり、別れたり、身内が亡くなったりと、様々な経験をしている。

こうして日常を送る中で、自分がどんな感情になるのか常に観察し、自分はどんな人間なのだろうと考えていた。

そして分かったのは、経済面で立ち行かなくなることを自分は最も恐れているということだ。貯金をほぼ使い果たし、収入の見込みがない時が最も不安になり、動揺した。

病気をしても症状が辛いとは思ったものの、不安にはならなかった。大怪我をして入院しても、痛みには辟易したが、落ち込むことはなかった。

しかし、いよいよ貯金がなくなりそうだ、収入の当てもない、となった時は、強烈な不安感に襲われた。数か月後には貯蓄額がゼロになる。しかし毎月必要な支払いはある。どうしよう。家族に借金を申し込もうか。クレジットカードでキャッシングすることもできるが、その後の返済はどうしよう。支払い期限を延ばしてもらう?生活保護を申請する?選択肢はある。でも不安でたまらなくなり、思考ができない。決断もできない。

今回は貯金が底をついて万事休すとなる直前に、報酬をもらえる業務に携われた。実際に報酬が支払われるまでは安心できないが、ひとまず不安は去った。

しかし、私が不安を抱かずに穏やかに過ごすためには、経済危機を招かないようにしなければならないことを実感した。安定した収入を得られるように、フリーランスとして常に業務を受注できるように営業しなければならない。また、万が一のためにしっかり貯蓄をしておく。

貧すれば鈍するので、余裕のある時から確実に備えておくことが肝要だ。

東京国立博物館特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」

先月末まで開催されていた運慶展を、上野公園内にある東京国立博物館で見てきた。

今回展示されていたのは、奈良興福寺が所蔵している仏像7体である。

まず、興福寺北円堂に安置されている「弥勒如来坐像」「無著菩薩立像」「世親菩薩立像」の三体が中央に展示されていた。

その三体を囲むように四隅に展示されていたのが興福寺中金堂に安置されている四天王立像で、持国天、増長天、広目天、多聞天の四体である。

有料のオーディオサービスを使い、解説を聞きながらじっくり見学した。

 

弥勒如来坐像は、その表情に惹き付けられた。

無著菩薩と世親菩薩は兄弟で、兄の無著菩薩は中国の仙人のような風貌だが、弟の世親菩薩は南アジア系の面立ちである。この二つの像は目に水晶が入っていて、角度によって照明の影響で目の輝きが変わる。

この三体の衣の皺の彫刻がリアルなためか、仏像か歩き出しそうな気がした。

 

四天王像は、中央の三体を守るかのように配置されていた。近づく者を威嚇したり、からかったり、その表情や姿勢、手足の様子が面白く感じられた。

これらの四天王像も、運慶の作品であるようだが、確証がないらしい。

弥勒如来坐像、無著菩薩立像、世親菩薩立像の三体には、年号や、制作に携わった仏師の名前が彫られていて、運慶やその息子達によって彫られたものだと分かるが、四天王像にはそうした印がないためだ。しかし、使われている木材、作風から、これら四天王像も運慶によって制作されたと推測されているようだ。

 

この展示では、七つの仏像が一つの空間に配置されていたが、興福寺では北円堂と中金堂の2か所に分かれて収められている。この七体が一つの場所で、このように配置されていたのかもしれない。

 

次に奈良を訪れた際は興福寺を訪れ、今回拝見した仏像と再会したい。

梯久美子 著『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』新潮文庫(Kindle版)

島尾敏雄『死の棘』は、島尾の不倫を機に精神を病んでいく妻の姿を描いた私小説だ。

この妻(ミホ)は、奄美のノロの家系出身だと聞いたことがあり、かねてからユタやノロに関心があったことから、このミホにも興味を覚え、ミホを取り上げた本書を購読した。

 

ミホが奄美のノロの家系というのは聞き間違いだったようであり、本書内では否定されていた。ミホは奄美の旧家で育ち、東京の女学校で学んだ教養のある女性だった。

戦中という時代や、奄美、東京、兵庫等の地域の事情を背景に、ミホがどのように育ち、島尾と出会い、結婚して家庭を築いていったかが描かれている。

 

読後の今、芸術に向き合う作家の態度、そして夫婦関係の凄まじさに圧倒されている。

著者は生前の島尾ミホにインタビューをし、様々な資料を読むうちに浮かぶ疑問に対して答え探しをしていき、それが謎解きのようで面白く、本を読むのが止まらなかった。

 

島尾敏雄の愛人は誰だったのか、島尾ミホの狂気の原因は何だったのか。そして『死の棘』発表の後、完全に妻ミホに支配された夫婦関係の中での島尾敏雄の心理はどのようなものだったのか。

読後の余韻に浸っている。

日記を再開

4年前、孤独で精神的に苦しかった時期にブログを書いていた。

当時とは状況は異なるが、似たような環境に置かれていて、だんだん苦しくなってきた。社会から放置されたような感覚に襲われている。

そのため、気を紛らわすためにブログを再開することとした。

文章を綴り、ブログにアップし、客観的な目で文章を読み、自分と向き合うことで、現在の停滞した状況が打開されるまで頑張りたい。

プロ野球 セ・リーグはヤクルトが連勝中

今日は昼過ぎから夜までずっとプロ野球を流し見して過ごしていた。

日曜日なので5試合はデーゲームだったが、神宮球場はナイター。その神宮での試合はヤクルトが勝利したが、先週からの10連戦で負けなしだったという。

ヤクルトはセ・リーグで阪神とゲーム差なしの首位。シーズン前はヤクルトが首位と予想する野球解説者はいなかった。むしろ最下位だと予想されていたように記憶しているが、この快進撃は凄い。ヤクルト・ファンは堪らない思いで毎日試合を見ているだろう。

今年のヤクルトは投手陣が良い。今年2年目の高津監督は投手出身で、うまく投手を育てているのかもしれない。

パ・リーグは首位ロッテ、2位オリックス。ロッテは去年パ・リーグ2位だったから、この順位も不思議ではないが、オリックスは大健闘している。

今年のプロ野球シーズンは、もう終盤だ。各リーグのペナントレースが終わり、CS、日本シリーズと進んでいく。

今年ももう暫くはプロ野球を楽しめる。プロの素晴らしいプレイをいっぱい見たい。

大崎善生『聖の青春』の感想

読んだ本

大崎善生『聖の青春』(角川文庫)※Kindle

1998年に29才で亡くなった村山聖棋士の伝記。

先日読んだ『いつかの夏』に感銘を受けて、同じ著者による本書を読むことにした。

そして読後は、『いつかの夏』同様、主人公の生き様、死によって夢を途中で断たれてしまった無念さに思いが至り、放心してしまった。

棋士・村山聖は幼少時にネフローゼ症候群という病を発症し、病と共に生き、最後はガンで亡くなった。幼い頃、入院中に父から教わった将棋の虜になり、病床で将棋の勉強をするようになる。療養所で小学校生活を送るが、週末は外出許可をもらって将棋センターに通い、中学生で奨励会に入る。17歳でプロデビュー。

本書は村山聖が病に罹ってから将棋と出会い、森信雄師匠に指導を受けてプロデビューし、亡くなるまでを描いている。森信雄師匠とは、単に将棋の指導者と弟子という関係を超え、様々なエピソードが満載だった。同年代の羽生善治棋士との勝負や将棋以外での交流も面白かった。

特に印象深かったのは、途上国の恵まれない子供達の学業を支援するフォスター・プランに寄付を続けていたこと。将棋の国際振興の企画に賛同して百万円をぱっと寄付しようとしたこと。末期ガンで余命が短いことを悟り、弁護士を自ら探して遺書を用意したり、葬儀は密葬として誰にも知られずそっと世を去ろうとしていたこと。

物心がついた時には既に病と共にあり、辛い症状に耐え、死が常に隣にありながら、将棋に命がけで取り組む姿に泣けてくる。

昨日、本を読み終わって暫く放心した後、日常に戻ってプロ野球の結果をチェックした。すると、横浜DeNAベイスターズの今永投手が完投勝利したことを知った。今永投手は去年肩の手術を受け、完投勝利は2年ぶりだった。私は今永投手をずっと応援していることもあり、昨日の勝利に嬉しく思い、そしてふと村山聖と今永投手の共通点に気が付いた。

お父さんが広島大学出身であること、兄と姉のいる三人兄弟の末っ子だということ。

共通点といってもこの2点だけだが、目標とする名人位を目前にガンで命を奪われた村山聖の無念が、ケガを克服して完投勝利を手にした今永投手によって少しだけ晴らされたような気がした。