他人の空似
ある友人から見ると、私は有名なセクシー女優に似ているらしい。
そのセクシー女優はタレント活動も活発でテレビにもよく出演するので、AVを見ない友人も顔を知っているらしい。私も名前は聞き覚えがあった。
ネットで画像検索すると、そっくりという訳ではないが、髪型と顔型は似ている。
そのセクシー女優の年齢は私の年齢の半分で、ちょっと似ているところはあっても、雰囲気も表情も違うので、その友人以外にそのセクシー女優と私が似ていると言う人はいないだろう。
ただ、ちょっと思い出したことがある。
コロナ禍が起こる前、同僚と地方出張に行った時のことだ。
地元の路線バスに乗って移動することになり、最前列の降車用ドアのすぐ後ろに座った。
乗客は他におらず、その地域を初めて訪れる同僚と私に、バスの運転手さんは地域のことを色々教えてくれた。
目的地に着いてバスを降り、同僚に「バスの運転手さん、地域ネタをたくさん教えてくれて面白かったですね」と言ったところ、「話は面白かったけど、あのバスの運転手、話す時はバックミラー越しにあなたの顔をちらちら見て、あなたにだけ話しかけていた」と怪訝そうに語っていた。
その時は、バスの運転手の知り合いと私が似ていて、つい顔を見てしまったのだろうかと想像したが、もしかしたらセクシー女優と似てると思われていたのかもしれない。
しかし、セクシー女優に似ているという話は、友人に対してもなかなか話題にしにくい。