オヤジ殺し
「オヤジ殺し」という言葉を初めて聞いたのは、20年くらい前。仕事で知り合った3つ年下の女性が自身のことを「私はオヤジ殺しなんですよ」と自慢気に語った時だ。
その女性は感じが悪かったので、「オヤジ殺し」という言葉にも悪い印象を持ってしまった。
オジサン社会で愛嬌を振りまき、権威のあるオジサンに気に入られて社内で引き上げてもらっていると言っているのだろうが、「だから何?」としか思えなかった。
それなのに、私自身が「オヤジ殺し」と言われることがあって憤慨した。実力がないくせに、人事権を持つ有力者に取り入って良い仕事を与えられているとでも言われているような気がして不愉快になるのだ。それなのに、私を「オヤジ殺し」と表現する人は、誉め言葉として使っていて、価値観の違いに唖然としてしまった。
オジサンから高い評価を得られたとしても特別嬉しいとは思わない。
オジサンを手玉に取って、のし上がって行く人がいてもいいけど、私は御免である。
もう今では私も中年になったので、既にオジサン連中の眼中にはないのだが、若い頃の憤りを思い出したので書き残すことにした。