Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

陰謀論やフェイクニュース ~自己啓発的な何かイヤなもの

去年辺りから、フェイクニュースを信じて陰謀論にはまる人たちが増えている。アメリカの大統領選挙前は特に陰謀論が盛んだったと思う。

私が交流している中で、陰謀論にはまっている人は一人しかいなかった。コロナ禍の下で対面で交流する人は少なかったし、陰謀論にはまっていても口に出さない人もいたかもしれない。それでも、あんな変な陰謀論を話すような人が周囲に一人しかいなかったのは幸運だった。その唯一の陰謀論者についても、辟易してしまって今では交流を断っている。

しかし今でも、その陰謀論者の発言を時々思い出して不愉快な気持ちになる。

彼女の情報源はYouTubeだった。YouTubeで得た情報を信じ、中国の三峡ダムが決壊寸前だとか、アメリカ大統領選は不正選挙だとか主張していた。新型コロナウイルスは、白人に対して感染力が強いウイルスを中国が開発したとも言っていた。

私には荒唐無稽にしか感じられなかったが、彼女は「世の中から巧妙に隠されていることをYouTubeで知った」と自慢気に語り、そうした情報を持たず、隠蔽された謀を知らない私のことを憐れみの目で見る。

衛星から撮影されたという三峡ダムの映像は合成じゃないの?

CNNがロシアや中国と結託してトランプのネガティブキャンペーンを企画した秘密会議の録音は、本当にCNNの会議室で録音されたものなの?誰かが制作した偽物ではないの?

白人にターゲットを定めて感染力を高めるようなウイルスを開発するなんて、高度な科学力だよね。そんな科学力を中国が持っているのか。そんな能力があればノーベル賞ものではないか。

彼女の話を聞いて、そんな疑問が生じて口にするが、「YouTubeで言ってたから間違いない、真実だ」と言うばかり。

彼女にとって陰謀論は最高のエンターテイメントなのだろう。「真実を知った自分」を他人より高めることもでき、満足度も高そうだ。

彼女の話を聞いていると不快になってくる。このイヤな感じは、かつて盛んに勧誘された「自己啓発セミナー」関連の人たちに抱いた嫌悪感と似ている。

「自己啓発セミナーに参加して、新たな自分を知った」と言い、自己啓発されていない劣ったあなたを高めてあげようという上から目線の勧誘者。10万円や20万円を払って合宿に参加し、自己啓発という名の優越感を得るなんて馬鹿馬鹿しいとしか思えなかった。だから勧誘されても、自己啓発されたという体験者のようにはなりたくないと言って誘いは断り続けた。

陰謀論者と自己啓発セミナー体験者は、優越感を持って他人を見下している態度が共通している。いずれも大変不愉快だ。