Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

市民活動家 ~反ワクチンと脱ダム

現在日本では、新型コロナのワクチンが確保できない、確保できても接種が進まないという問題に直面している。

この問題の原因の一つは、一般の国民がワクチンの効果に懐疑的であることだと思っている。新型コロナのワクチンに限らず、国民がワクチンに無関心だから、コロナのワクチンを他国と競争して確保しようという動きにならず、出遅れたような気がしている。

このワクチンに対する懐疑的な傾向はどこから来たのだろう。薬害エイズ等、医薬品メーカーへの不信感が根底にあるのか。人工的なものは全て良くないと判断する人が多いのか。

私はワクチンの恩恵を実感することがあり、反ワクチン運動について賛同できない。副反応が起きる人は出るかもしれないが、病気にならない、罹患しても重症化しないという恩恵に与れる人の方が圧倒的に多いと思っている。

反ワクチンについては、子宮頸がんワクチンの反対運動が記憶に新しいが、これは疫学調査の結果、指摘されているような副反応はなかったことが明らかになっている。つまり、子宮頸がんワクチンの反対運動は、間違った根拠に基づいて行われていたのだ。

人類は病気との長い闘いの中で治療法を見つけ、克服してきた。ワクチンがなければ、結核で早逝する人、ポリオで苦しむ人は今もたくさんいただろう。

ワクチンが普及し、深刻な病いに罹る人が減ると、その有り難さを忘れてしまう。例えば、ワクチンのお蔭で結核に罹っていないのに、結核にならないことが当たり前になると、ワクチンの存在が意識の外にいってしまう。そして、命を守るワクチンを「有害だ」と決めつけ、反ワクチン運動を進める人が出てくる。

子宮頸がんワクチンに関しては、打たなかった世代が今後、若くして子宮頸がんに罹ることが予想されている。反ワクチンなんて運動に負けて、ワクチン接種を任意にしたことは間違いだった。

反ワクチンだけでなく、脱ダム運動も国民の生活に負の影響を与えている。治水ダムの建設を中断したことで、大きな水害が起こり、人命を失い、家屋や農産物にも被害が出ている。関東は八ッ場ダムの建設を一時中止したが、水害の悪影響を受ける下流域の自治体が陳情して建設が再開され、今では治水の役割を果たしている。

ダム建設は、住民移転や環境破壊を伴うため、市民活動家がダム建設反対、脱ダムを訴えると、多くの国民も支持していた。しかし、水害による被害を目の当たりにした時、治水ダムが完成して機能していれば防げた被害だったことに気づく。

ワクチンもダムも、効果が実感しにくく、市民活動家が「感覚」で発する抗議の言葉に説得力を感じてしまうのかもしれない。しかし、反ワクチンも脱ダムも、市民活動家の素人考えは的外れだった。

市民活動家の素人考えに振り回されないように、リテラシーを向上したいと思う。