Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

ナイトクラブが新型コロナウイルス感染のクラスターになっていると聞いて

非常事態宣言が出される直前、ナイトクラブが新型コロナウイルス感染のクラスターになっていると注意喚起がなされた。クラブのママやホステス、男性従業員、客が新型コロナウイルスに感染している例が多いという話だった。ナイトクラブは密閉した空間で、客とホステスが密着してお話をしたりするので感染しやすいのだろう。


この報道を聞いた時、最初は感染した客に呆れ、どうして伝染病が流行している時に密閉した空間に行くのかな、不要不急だろう、と憤慨していた。


だが、ホステス達も感染者だと思い至ると、哀しみが沸き上がってきた。遠藤周作の小説『女の一生〈1部〉キクの場合』や映画の「吉原炎上」で描かれた遊郭で、遊女が結核に罹り、悲惨で短い生涯を終える話を連想したからだ。


遊郭では性病のリスクもあるが、その他の感染症罹患のリスクも高い。小説や映画では、特効薬がなかった結核になると、遊女は座敷牢みたいな所に幽閉され、そして死んでいく。


シンガポールの日本人墓地には、たくさんの「からゆきさん」――遊郭で働いていた女性の墓がある。墓石に書かれた享年を見ると19才、20才、21才等、若くして亡くなっていることが分かる。死因は不明だが、閉ざされた空間で大勢の客に接することで、結核をはじめ、様々な病気に罹るリスクが高かったのではないかと思われる。


ナイトクラブのホステスは、遊郭とは違ってお酒を飲みながら客と話をするだけかもしれないが、それでも深夜に密閉した空間で大勢の客に接するため、感染症に罹患するリスクの高い人達なんだと気がついた。

彼女たちの多くは社会的弱者なのかもしれない。