心を読まれた?
いつもの美容院に行った。美容師さんを指名して予約してあり、時間通りに美容院に到着したが美容師さんがいない。私の予約に合わせて出勤予定だというが、姿を現さず、美容院が携帯電話にかけても応答しない。
10分くらいしてやっと連絡が取れた。事情があって遅れているが、美容院に向かっているから待っていて欲しいという。私も他に用事があるわけではないし、待つことにした。
しかし更に30分経っても美容師さんが来ない。
待つのも疲れたから予約をキャンセルして帰ろうと思ったその時、別の美容師さんが事前の準備をすることになったと言って席に案内された。まさに「帰ります」と言おうとした瞬間だったので、絶妙なタイミングだった。
ケープを肩に掛けられたり、諸々の準備をして貰っている間に、当の美容師さんがやっと出勤してきた。
その美容師さんは私の髪をセットしつつ、遅刻した事情の説明やお詫びの言葉を述べていた。事情は分かったけど、次からは別の美容師さんにお願いしようかなと思ったところで、
「こういう事情があったにしても、長くお待たせしてしまったのはお詫びしようがありません。次回以降は決してお待たせしません。」
と言われ、次も彼女を指名するしかないのかなと考え直した。
最後の仕上げでドライヤーをかけて貰っている時、とは言っても今日は待たされ過ぎたし、支払いの時にクレームしようと思ったところでは、
「今日は大変お待たせしましたので割引させていただきます。」
と言われた。
思ったことが表情に出て読み取られたのだろうかと思うほどのタイミングだった。
表情を読み取られるにしても、マスクをしていて顔は半分隠れているのに、この美容師さんは勘が良いのだろうか。
偶然だったのだろうが、ふと思ったことに対して相手から言葉で回答が返ってくるのが不思議だった。