Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

『若い読者のためのアメリカ史』を読んで

読んだ本

ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン著・上杉隼人/下田明子訳『若い読者のためのアメリカ史』2018年(すばる舎)

イエール大学出版部による教養シリーズの一冊で、アメリカの歴史が概観できる。

アメリカ史については詳しくなかったが、西洋に発見される前のアメリカ大陸の先住民の文化から、スペインによる征服、イギリスからの移民、独立戦争、大統領制の確立、南北戦争、奴隷解放、産業化と都市化、第一次世界大戦、第二次世界大戦、キューバ危機と冷戦、ベトナム戦争、9・11と、時系列で記述されている。各時代に生きた人々の言葉が随所に出てきて、過去に生きた人たちが証言しているような、そんな歴史書であった。

初めて知ったこともある。例えば、先住民の人口減少は、西洋人に殺されたからだと思っていたが、それは思い違いで、西洋からもたらされた病気により、先住民は急速にその規模が縮小していったらしい。コロナ禍の今、感染症の脅威は実感として理解できる。

そして、アメリカが自由と平等の国だといわれる所以も分かった。今現在も、差別が残っていて、去年もBlack Lives Matter (BLM) が大きな運動となっていた。それでも、アメリカは建国以来、自由と平等を確立するために議論し、行動に移し、より完全な自由と平等を目指して進んでいる。進んでは後戻りし、後退したかと思うと甦り、自由と平等を否定することはない。

アメリカ史をもっと早く学んでおけば良かったと、これまで不勉強だったことが悔やまれた。