Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

ポリティカル・コレクトネス

トランプがアメリカの次期大統領に選出されてから、「ポリティカル・コレクトネス」という言葉を目にするようになった。ポリティカル・コレクトネスとは、偏見や差別をなくし、公平で公正な社会にしようという啓発活動だと私は解釈している。

ポリティカル・コレクトネスを直訳すれば「政治的な正しさ」となろう。私が初めてこの言葉を知ったのは平成の初期で、デーブ・スペクターが訳した『政治的に正しいおとぎ話』が出版された時だ。新聞に書評が出ていて面白そうだと読んでみたが、私には面白いとは感じられなかった。その頃公開されたアメリカ映画の「アメリカン・ビューティー」を観た時も感じたのだが、何だか息苦しいのだ。

偏見は差別をもたらすし、特定の属性の人達が差別によって不当に扱われ、社会的に排除されるのは不公平だと思う。アファーマティブ・アクションによって被差別者を優遇し、社会の中心を構成する人達と同じスタートラインに立たせることは当然だとも思う。でも、属性としては社会の中心にいるとされながら、不利な状況にいる人達にとっては、アファーマティブ・アクションが適用されている人達が下駄を履かされて有利な地位を確保していることに不満を持つことも分かる気がする。

トランプの勝利は、行き過ぎたポリティカル・コレクトネスへの反発を顕在化したという論考は一理あると思う。

偏見も差別も良くないという絶対正義を、人々が息苦しく感じることなく、社会に浸透させていくにはどうしたら良いのか。