Stacyの日記

時事ネタを中心に日常でふと思ったこと

日本のいちばん長い日

昨年の今頃は、『日本のいちばん長い日』を読んでいた。映画が上映されていたものの、観に行く時間が取れず、代わりに原作を読んでいだ。

まず、宮城事件なるクーデターが企てられたことも知らなかったので、この原作はとても興味深かった。ポツダム宣言を受け入れるか否かを検討するところから、将校の一部がクーデターを計画し、その計画が頓挫して玉音放送が行われるまでの緊迫感は、睡魔も吹き飛ぶほど読書に没頭させるものがあった。

クーデターが成功していたら、日本の歴史は変わり、それこそ日本という国はなくなっていたかもしれない。ただ、クーデターを計画し、遂行していた将校達も、真面目に日本を思っていたことは確かだろう。

約50年前、この小説が発表され、すぐに映画化もされた。昨年公開された映画は新作だが、50年前の映画の方を見てみたい。

それにしても、昭和45年に三島由紀夫が自衛隊の市ヶ谷基地を占拠したのは、この小説の影響だろうか。三島の呼び掛けにも関わらず自衛隊員は蜂起せず、三島の企ては失敗に終わった。戦後は民主主義の時代なので、クーデターではなく選挙で国の行方を決定するのが正しく、三島のやり方は時代遅れだったのだろう。